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ギルバート・グレイプ |
またまた古い映画ですが、「ギルバート・グレイプ」を観ました。
身動きできないほど太ってしまった過食症の母、18歳で知的障害をもつ弟アーニーと、2人の姉妹。田舎町アイオワ州エンドゥーラで、亡き父の代わりに一家を支え、希望や夢を抱く暇さえない日々を過ごすギルバート。だが、自由で快活な旅人ベッキーとの出会いが、彼の心に少しずつ変化もたらした。 大切な絆だが、ときに束縛にもなる「家族愛」を切り口に、ギルバートの青春の一片をみずみずしく描いた感動作である。(あらすじ)
ハルストレーム監督は、閉塞感があり、切なくてやりきれない思いを抱えた主人公を それとは反対に爽やかにちょっとユーモラスに描くのが得意ですね。しかも、基本的に 善人ばかりが登場し、なのに辛い状況に陥っていくというストーリーを愛情を持って 温かく描くという複雑なことを成し遂げている気がします。 この作品も、主人公ギルバートの切ないというかやりきれない思いが伝わってきて 辛くなります。本人は家族思い、弟思いですごく優しい男で、周りの人も基本的にいい人 ばかり。なのに、色々と辛いこともあり、閉塞感に包まれたこの町から逃げ出したいのに 家族をほっておけない。なのに、全体の印象としては爽やかでみずみずしさを感じました。 ギルバートには、ちょっと「ゆれる」のミノルに近いものも感じました。
しかし、ジョニー・デップもディカプリオも若い頃からいい演技をしてますね。 特にディカプリオはすごかった。今更ながら、すごい天才子役が現れたと思いました。(笑) ジョニー・デップもまさにギルバートという感じでした。爽やかでみずみずしい印象を 持ったのは、ジョニデの影響が大きいと思います。
私は、悪意がないのに悪い状況に陥っていくというのは、やりきれなくて苦手なんですが、 解き放たれて希望がもてるエンディングですごく良かったです。
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テーマ:DVDレビュー - ジャンル:映画
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世界最速のインディアン |
皆さん、こんばんは! 久しぶりの更新にもかかわらず、多くの方に来ていただき、感激してます。 よくオリンピックとかで、メダルを取れたのは自分一人の力ではなく 支えてくれた周りの人のおかげです、なんていうことを言ってますが、 私も本当に皆さんに支えられてるおかげで、続けることができています。 ありがとうございます! まー、オリンピックを引き合いに出すのはおこがましいにも程がありますが。(笑)
と言うわけで、何とか2日連続の更新ができそうです。 今日、ご紹介するのは「世界最速のインディアン」!これはサイコーでした。
どうにも不思議なタイトルだが、「インディアン」とは主人公の愛車であるバイク、1920年型インディアン・スカウトのこと。ニュージーランドの小さな町で暮らす63歳のバートが、長年の夢であった米国ユタ州で行われる最速バイクレースに挑戦する。実話を基にした物語で、バート役を演じるのはアンソニー・ホプキンス。とてもじゃないが最速レーサーに見えないけれど、夢に一直線になる初老の男をいきいきと演じ、嫌味がないのはさすがである。 ニュージーランドの人々の粋な見送りに始まり、船でロサンゼルスに着いたバートがユタを目指してヒッチハイクしていく旅は、多くの個性的な人々との出会いが彩っていく。それぞれのエピソードがどれもイイ話なので、観ているこちらもいつの間にかバートを応援してしまう展開。圧巻は、ついにユタ州のレース会場に到着した彼が、目の前の白い平原を見て幸福に浸るシーンだろう。その幻想的な美しさといったら! その後もさらに大きな感動が待つのだが、人生賛歌のドラマとして、これほど基本に忠実で、しっかりと物語を語っている映画も少ない。多くの人の心を温かくする佳作だ。(斉藤博昭)(アマゾンより)
これは、実話を元にした映画で、あらすじに書かれている内容もほぼ事実のようです。 バート・マンロー!すごい男です。男ならこんな風に生きてみたいと思わせるような。 20歳の時に買ったバイク、最高時速80キロの「インディアン」を自分の手で改造を 繰り返し、ついには63歳で初めて最高速を競うレースに出場してしまうんです。 しかも、ニュージーランドからアメリカに一人で渡って。
この映画を観て、夢を追い続けることの大切さ、絶対にあきらめないということの素晴らしさ、 年だから・お金がないから等と理屈をつけず現状の精一杯の力で頑張ることの大切さ 等を改めて感じました。こう書くと自分には耳が痛いことばかりなんですが、教育めいた 感じではなく、一人の破天荒な男の生き方を通して感じることなので、素直に感動しました。
また、一人のちょっと変わり者で行動的な老人がニュージーランドの田舎からアメリカに 渡って旅をするロードムービーとしても楽しめました。途中で出会う人々とのエピソードが またいいんですよ。やっぱり何かに一生懸命になっている人って、独特のオーラが出ていて 周りに伝わるんでしょうね。 更に終盤ではレースに向かう高揚感も味わえて良かったです。
バート・マンローを演じるのがアンソニー・ホプキンスと聞いて、最初はレクター博士の イメージが強すぎて映画に入り込めるか心配でしたが、まったくの杞憂に終わりました。 やっぱり名役者ですね。屈託のない笑顔、ちょっと無神経で豪快なところ等すごく魅力的 でした。どう見ても世界最高速を出すような体型には見えませんが、私には、実際には 見たことのないバート・マンローそのものに見えましたよ。
あり得ないようなすごい話なのに実話なんですから驚いたし、勇気が沸いてきました。 皆さんにも是非おすすめしたいです。
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ビデオドローム |
皆さん、こんにちは!大変ご無沙汰しております。 1ヶ月以上も更新できず、その間に訪れてくれた方には 本当に申し訳なく思っています。 パソコンのOSをアップグレードして、設定等をやり直していて 更に決算と重なってごたごたしている内にブログから遠のいてしまいました。
そう言うわけで、DVDもほとんど観てなく、多分3本だけです。 一つは、ローランド・エメリッヒ監督の「紀元前1万年」で、ジュラシック・パーク的な ものを想像して観たんですが、どちらかというとアポカリプト的で 私としてはアポカリプトの方が遙かに良く、これはあまり面白くなかったです。 もう一つ、「大いなる陰謀」も観て、これは途中までは良さそうだったし 評判もいいようですが、主演の3人を中心に世界で起こっていることを色んな 側面から見せ、それを知ったときにどうするかはすべて観客に委ねるような 映画で、私には中途半端な感じがしてしまいました。
で、唯一面白かったのが、クローネンバーグ監督のカルトムービー、「ビデオドローム」 だったので、今日はそれをご紹介しようと思います。
ポルノと暴力を売りにしているカナダのテレビ局社長(ジェームズ・ウッズ)の元に、ひょんなことから禁断のビデオテープが届けられる。それは、見続けると幻覚症状が起き、やがてはその人間の身体までをも変貌させてしまうという恐ろしいテープだった…。 デイヴィッド・クローネンバーグ監督の名を一躍有名にしたカルト作品。腹の中に拳銃を押し込んだり、モニターとデッキが呼応しあうかのように鼓動したりといった、彼独自の内臓感覚と、ビデオという1980年代ならではのテクノロジーを融合させた数々のグロテスクな幻想シーンが、いつしか観る者の精神まで惑わせていく。ストーリーを追うよりも、この目で体感していった方が得策といったジャンル映画の代表格。(的田也寸志) (アマゾンより)
これは、かなり古い作品なんですが、何とも不思議なストーリーというか世界を グロテスクかつエロティックな映像表現で描いていて、クローネンバーグの原点を 見たようで面白かったです! 前にご紹介した「裸のランチ」とテイストが似ていて、あれが好きな人なら絶対好きだと 思います。この作品のジェームズ・ウッズと裸のランチのピーター・ウェラーがまた よく似てるんですよね。 大まかなストーリーとしては、ジェームズ・ウッズ演じるテレビ局の社長が、違法放送の 電波をキャッチした。その放送局では延々と拷問映像が繰り返されていて、放送局名は ビデオドロームと名付けられていた。この放送局を探しに行く中で現実と幻覚・幻想が 入り乱れ・・・という感じで、映像の世界や放送メディアというものの存在意義みたいな ものも考えさせられるし、現実と妄想の境目みたいなことも考えさせられ、色々と 惑わされて面白いです。でも、相変わらず私のレビューでは意味不明だと思いますが。
それと、この映画では謎の女としてブロンディのデボラ・ハリーが出てくるんですよ。 映画に出てるなんて知らなかった~。コール・ミーをはじめ、当時はブロンディの曲も よく聴いたものです。懐かしかった。
この作品は、観る人を選ぶ映画だと思いますが、興味があったら観てみてください。
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